2013年06月08日

ハイフロートを試してみた日・・・


■T川
■2013−6−8(土)晴れ
■あまご7匹
■同行者なし
三度(みたび)車を走らせたT川釣行・・・
今日は渇水が予想される為、中流部に入って見る予定であったが到着時刻が微妙に中途半端であったことに加え、皆々考えが同じなのか既に朝一からの【一駆け族】で満杯状態・・・
結局、入渓できたのは【一駆け族】が立ち去った直後のいつもの場所・・・
三度(みたび)同じ様な条件で同じコースを釣るならば、渇水のハイプレッシャーである事を前提に、前回とは少し思考(指向?)を変えて同じドライフライでも性格が異なるアプローチを試みた。
結果としてはどちらも【一長一短】と言う印象であるが、それぞれの長所を踏まえて用いればこの渓での対処方法としては有効と見受けられる。
やはり今現在の渓流フライ事情を勘案すれば、これも選択肢の一つとしていて損は無いと実感した釣行であった。
注)一週間遅れのアップですので、ご参考になさる場合は日付にご注意下さい。

(結果だけ簡単に見る・・編集中)

「なぁ・にぃ・がぁ・・梅ぅ・雨ぅ〜・やぁねん?・・・(ホンマ!)」
(全然降らへんし!・・・呆)
前回の釣行を終えてから、そろそろ梅雨が本格化して、次なるT川釣行は6月下旬の全面禁漁明け以降と考えていたが、大ボケかましの空模様に呆れたボヤキが口をついて出た。
家内「行ってきたらエエやん!ウチら明日、服買いに行くし!・・・」
吾輩「足ぃと荷物持ちぃせなぁアカンにゃろぉ?」
家内「入場招待券・・・アンタの分無ぃねん!・・そやし用無し!(笑)」
次女「おとん・・ラ・フランス(洋梨)やな!・・釣りでも行ったらぁ?」
この会話の直後から完璧ラ・フランス・モードに突入し、女性ドモは明日の買い物の話で盛り上がっている。
(言ぅてもぉ〜11時回ってるし!)
盛り上がる女性ドモを尻目に、もはや用無しとなって存在感も薄れた老骨は急遽準備にとりかかることにした。
いつもならあれこれと明日の釣りを思案して道具立てを絞り込むものの、時間も時間なので目ぼしいところを一切合切まとめて車に積み込み往路で思案しながら絞り込むことにした。
(前半三時間が釣り上がりで後半3時間がイブニング絡み・・・まぁ〜8時頃に出て昼前に到着したらエエわ!)
丸一日ぶっ通すと足が持たなくなった今、これが適度な配分であろう・・・若かりし頃なら即刻家を飛び出して夜明けと共に渓に降り立つ算段が疑う余地無く当然の行動であったが、今現在この様な考えは微塵も湧いて出てこない。
翌朝、目覚めとともに出発・・・
(今日は渇水やろし・・中流域入るんがエエかなぁ?)
前回、前々回とそれなりに釣り人が居られてそこそこ隈なくお車をお見受けしていたが、中程にある[青い橋]の手前区間は2回とも空きである事を思い出し・・・
(あそこがエエなぁ〜・・水少ない時が今のワシには絶好のチャンスや!)
復帰当初、京都渓流釣倶楽部のogさんからご教示頂いた[沢筋〜青い橋]までの区間・・・密かにこの区間に狙いを定めた。
この区間・・・復帰した翌年の2007年GWに訪れて、右も左も解らぬまま降りしきる雨の中で濁流へと化す流れを気にしながらドライフライで通してみたポイントである。
当然サッパリ反応は無く、手痛い仕打ちに拉がれる結果となった。
10:00に現場到着・・・前回とほぼ同じである。
ところが、時計を見ると9:00???
(?・・時計壊れたぁ??)
そこでiPhoneで時間を確認すると、これまた9:04との表示・・・・・
「ぅそっ?・・・(7時過ぎに出たやんなぁ?)」
そこで家の近所のコンビニで弁当を買ったレシートを見ると6:08と刻印されている。
(えっ?・・今まで1時間間違ぉ〜とったん?)
「また、中ぅ〜途ぉ・半・端ぁ・な時間に着いてもぉ〜たし!」
概ねこの渓は【一駆け】を決め込んだ方々が朝一の釣りを終えて場所移動に動き出されるのが10:00以降と見受けており、これが9:00となれば未だお取り込み中であることが予想される。
(まぁ〜・・・停まってる車で皆さんのお考えを確認させてもらぃましょかぃ!・・)
最悪は一度最上流まで走り込んで10:00以降の時間帯を待って場所決めすることを覚悟するものの、密かに[沢筋〜青い橋]までの区間が空きとなっている事を期待して車を走らせた。
2006年に約20年ぶりに復帰を果たし2010年までに10回程訪れており、2年間放置した後、今年に入って3回目・・・
この流域のどの辺りに車を停めてそこからどの辺りをお釣りになるのか・・・これが何となくであるものの漸く解り始めて来た。
車を走らせると、停車場と見立てた所にはしっかりと釣り人らしきお車がある。
京都・三重・名古屋・岐阜・・・・(記憶により順不同)
ことなしか前回、前々回より中流域の車が多い・・・と言うか、隈なくしっかり抑えられた感じである。
そして中流域集落跡の小橋を渡り、直後の駐車場にお車を確認・・・・
次なる停車場こそ、目指す・沢伝いに渓に降りる・本日希望の入渓点である。
「さぁ〜・・空いてるかどぉ〜か?」
(今日ちょっと釣り人多いけど・・・前もその前も空ぃとったし!・・・大丈夫やと思ぅねんけど・・)
そして程なく、その停車場が見える辺りに差し掛かった。
「ガッビィ〜ン!・・アウト!・・入ったはるし!」
私が車を停めるとイメージしていた場所に、しっかりと京都ナンバーのお車が停まっている。
(これ・・青い橋まで釣り上がったはんなぁ〜・・・)
若干アテが外れて落胆したものの、そもそも前回、前々回とココが空いて居た事が不思議であり、水量を考えると皆々同じ様な思考なのか中流域は満員御礼の状況であった。
「ちゅ〜ことはあそこ(青い橋の袂)もぁ〜・・・ハィ・・アウトぉ〜・・・」
更に車を走らせて・・
(あそこは?・・やっぱし停まってるし!)
「えぇ〜らぃ、尻詰(ケツカッチン)で入ったはんなぁ〜・・大丈夫なん?(笑)」
更に走る・・
「次はぁ〜OWNS〜・・OWNS〜でござぃ(まぁ〜)ハィ、満杯ぁ〜ぃ!(笑)」
半ば呆れも伴って車内アナウンスよろしく停車場所を確認しながら車を走らせる。
「次はぁ〜H川ぁ〜・・H川ぁ〜・・絶対空いてない合流点でござぃ(まぁ〜)ハィ、アウトぉ〜!(笑)」
やがて何時もの入渓点を通過・・・
「水ぅ少なっ!・・・いっぺん(一度)こんな時あったなぁ〜・・」
記憶が正しければ3年前の夏日に余りの水の少なさに落胆し、早々に切り上げて琵琶湖に立ち寄りバス釣りに転じた日である。
(しかし今時分この少なさは初めてやなぁ〜)
程なく、何時も車を停めるカーブ・・・
「ハィ、先約あぁ〜りぃ・・(今日はこれホンマ満杯やし!)」
やはり予想通り、いつものコースにも入られて居る様でとにかく最上流まで確認してみるしかなさそうである。
「しゃぁ〜なぃなぁ〜・・とりあえず上(最上流)まで走って様子見て、・・んでからどぉ〜(する)・・って行くんかぃ?!上へ!!」
もう少しで駐車している場所を通過する手前で先約の車が上流に向かって走り去った。
急遽入れ替わる様に何時もの駐車場に車を停めた。
(車ごと後追ぃすんのもちょっとなぁ〜・・・)
「どぉ〜すぅるぅべぇ〜か?」
(この感じやったら上の既に何人か入ったはるやろし!)
「上まで走りきって(他の方々の)移動時間見計らって(場所)決めるかぁ〜??」
(・・で、結局ココしか空いてのぉ〜たらアホみたぃやし!)
この時点で出発前の目論見は崩れ去り、最初から今日の釣りを組み立て直す必要が出てきた。
選択肢はふたつ・・・
・最下流(トンネルを抜けた辺り)まで下がってフラッタかウェットの大技で一発勝負に出る。
・三度(みたび)ココに入って安全確実に小技で魚の顔が拝める確率を高める。
天声「やっとこの日ぃ〜が来たな!終日、一発勝負か?」
吾輩「それしか無ぃん?」
天声「この水量やし!一発勝負には手頃とちゃぅか?普段の水量やったら圧倒されて気後れせんとも限らん!」
吾輩「確かになぁ〜・・・」
暫し迷いが湧いて出る。
天声「覚悟はできたか?」
(・・・・・・・・)
吾輩「できるかっ!」
天声「(呆)・・なんじゃそれ!軟弱モン!」
吾輩「何とでも言ぇ!・・一発勝負で当たりゃエエけどハズレ引いたら疲れて帰るだけやし!」
やはり常々5寸の数稼ぎに甘んじる小物釣師であるが故、遠路はるばる出向いてきて終日アテの無い一発勝負に勤しむ勇姿は持ち合わせて居ない。
(ちょっと待てよぉ〜・・)
自分自身で大枠の整理が始まった。
前々回ichr君と来た時は3回の入渓で・・・【引率案内】・【渓の様子見】・【道具立ての確認】
前回も3回(実質2回)で・・【渓の様子見】・【渓の様子伺い】・【見学】
そして今回は2回・・・
(前半はやっぱしココやなぁ?)
「・・・で?こないだと同じ事やんのも勿体無ぃ気ぃ〜すっし!・・なんか試そぉかぁ?・・・」
(こないだより渇水気味・・んで、なんか2年前よりプレッシャー高ぃ気し〜するなぁ〜?)
「あっ!そうや!・・・(閃いた!)」
この渇水とハイプレッシャーがキーワードとなってひとつのイメージが湧いて出た。
そして前半はこの場所で【試行】が決定・・・
「後半はお茶ラケで【一発勝負】で行くとしょぉ〜かぃ!(笑)」
漸く考えがまとまり、湧いて出たイメージで道具立てを決め、何時もの入渓点目指して歩き出した。

@いつもの堰堤上流(9:45〜14:15)
「さぁ〜て・・まぁ〜たココやし!飽きもせんと!(笑)」

↑前回よりも更に水が減って泡立ちも若干少なくなって見える。
(さて・・・こんなロッド持ち込んで大丈夫かぃ?)
「風がどぉ〜なるかやし!」
ロッドにラインを通して準備完了・・・
「リーダーはこんなもん?」
持ち込んだロッドは8フィート硬調ティップアクションの#1・・・
これに#2のラインを通してリーダー+ティペットは9フィート弱にセットアップした。
普段はライン番手こそ同じ様なものだが8フィート程度の軟調ロッドでリーダー+ティペットは17フィート前後・・・
言わば同じドライフライの釣りでも全く性格の異なる道具立てで入渓している。
そして本日の・お試し・は使用する毛鉤を変えて見ることだった。
これもテレストリアルやカディスと言う具体的な模写パターンではなく、何時も使用している【水面に張付いた形】のシルエットではなく、【水面に高く浮かせる】シルエットを魚に見せてどうなるか?
これを試して見る(つまりは巷で言うところのハイフロート効果の確認)と言うのが前半のテーマである。
「言ぅたら、ここんとこの渇水にハイプレッシャー?を感じるんで、毛鉤で何とかならへんか?っちゅぅ〜、【張付浮型毛鉤】 VS 【高乗浮型毛鉤】の対決でんな!(笑)」
天声「どぉ〜でもエエこと・・何が前半のテーマじゃ!・・ちゃっちゃと釣れよ!」
吾輩「アホ!・・これ結構重要や思うでぇ〜・・」
・・と言うのも私の拙い経験でこの30年を振り返ると・・・
天声「講釈エエさかぃちゃっちゃと話進めぇ〜よ!」
吾輩「はぃはぃ・・・」
・・・では一足飛びに話を進めると、おおよそこの前半戦の釣りは車の停車場を中心として4時間のコースをイメージし、最初の1時間は普段と同じ毛鉤(QBP#16)で様子を見て次の1時間はフライをハイフロートにして変化を見ると言う時間割である。
そこで効果が無ければ丁度停車場を通過する頃となる為、一度離渓して昼食を取り、その後はタックルをウェット(ソフトハックル)に変更してその場から再入渓する計画である。
当然、ある程度の効果が認められたらそのままブッ通しでハイフロートのドライフライフィッシングで釣り切る考えもある。
・・・と言うシナリオで早速、最初の1時間目に取り掛かった。
「リーダー短かっ!・・・こんな短かったっけぇ〜??(笑)」
・・で、最初の1時間が経過した。【←話ぃ端折りぃ過ぎやろ!】

「サッ〜ッパリやんけ!(ホンマ!)」
(これおそらく先行しはったんフライマンの方やろぉなぁ〜・・)
ココに至るまで2回ほど魚が毛鉤を見に来たものの、両者とも(フライの)寸前でUターンして全く顔出しがない。
それどころか、4寸ドチビも毛鉤をつまむ素振りをするだけでアタックの数も激減状態である。
(まぁ〜・・いつもと違う道具立ての影響かもしれんけど、それにしても前回と比べたら問題外やし、Uターンするんは前々回と同じかそれ以上やなぁ〜・・・)
「画期的にスレとるんちゃぅ?」
(さて2時間目の科目に切り替えまっかぁ〜)
取り出した毛鉤は既に廃盤となって久しいロングテール・バイビジブルの#16である。
記憶が正しければ約20年程前の作品で化石の様に眠りこけた代物・・・・
コイツがフライボックスに詰め込まれたのも十数年ぶりかもしれない。
(懐かしのぉ〜・・このフライ・・・なんか笑うし!)
「さぁ〜て・・・一発かまして行てこましたらんかぃ!」
ところが、この釣り方で難儀したのは立位置の確保で、淡い記憶を取り戻すのに若干時間を要した。
持ち込んだロッドは当然のことながらメンディングなんぞ眼中になく、リーチ(キャスト)を差し込む暇さえ許してくれないシャープな調子・・・
折りしも若干の向かい風で普段の軟調ロッドであれば苦戦を強いられたかもしれない所は救われた気もするが、リーダーの短さは想像を絶するもので完全アップストリームに立位置を確保しなければ一発でドラッグが掛かってしまう・・・
キャストして一呼吸置くと・・・
「おぉ〜・・ドラッグが掛かって参りました。・・・がんがん掛かってます。・・ってこんな釣り方やったっけぇ〜?」
いつもならばフライを流すと決めたら魚の定位(位置)上方から捕食点を完全に外したところまで平均的に2メートル前後は流して居るが、今日は50センチ・・長くても1メートルのショートドリフトとなる。
[ピコォ〜ン]
「っぉっとぉ〜・・早速威勢がよろしおまんなぁ〜(笑)」
ハイフロートに変更した直後、4寸ドチビがヘッド&テールで躍り出た。
(あのイボチンの木ぃ〜まだ居座っとるし!・・笑)

↑前回8寸をバラす引き金となった水中の立ち木も渇水でかなり目立つ状況になっている。
[パッカ〜ン!]
「・・っとぉ〜・・(毛鉤を)弾き飛ばすなっ(・・)」
[パッカァ〜〜ン!]
「・・って、エエ加減にせぃよ!」
恐らく同じ魚と察するが連続技のヘッド&テールで自らフッ飛ばしたフライにリトライする様な出方を演じてくれたが不発・・・
「だぃたぃ何でお前のサイズ(7寸前後)でコイツ(#16のハイフロート)空中から押さえ込まなアカンねん!普通ぅ〜に喰えよ!」
(流し方悪ぃん?)
その後も4寸ドチビが何度かヘッド&テールを披露してくれ入渓から一時間半を経過した頃・・
[パァ〜ン]
(っち!!・・)
[パシュッ]
「っしゃぁ〜・・(毛鉤を)フッ飛ばしの追ぃ喰ぃ久しぶりやなぁ〜・・(笑)」
漸くこの日の最初の魚をハンドライド・・・
「(7寸超え?7寸?)・・22(センチ)は無ぃなぁ?・・7寸でんな!」

↑一度目でフライをフッ飛ばし、再びフライが着水すると同時に二度目のアタックでフックアップしたあまご・・フライはハイフロートのバイビジブル#16・・・写真のアングルが悪く細身に見えるが結構幅の出た魚体だった。
「あれ?今の(カメラの)シャッター切れたぁ?」
(あっ!!)

「まぁ〜た一瞬で逃げよったし!・・また(写真)撮り逃したやん!・・頼むわぁ〜〜」
またまた1匹目の写真と撮り損ねたと思っていたが、運良く最初のシャッターが切れていて何とか写真が確保できていた。
程なく・・・
[パッ〜カァ〜ン!]
(・・・・・)
相変わらず7寸サイズがヘッド&テールで踊り出るが不発・・・
「ぃや!・・だ・か・ら・ヘッド&テールで(毛鉤を)襲ぅ必要ぉ〜無ぃやろって!(怒)」
昔はこの様なアタックが随所に見られたと記憶するが、昨今・・他の渓では殆ど見受けなくなって久しいと感じる。
これも私の釣行エリアの殆どが成魚放流によって支えられている現状に加え、稚魚放流も2年で刈り取る過密事情が影響しているのか、養殖によって生産され続けた【あまご】には、この様な捕食方法を伝承する遺伝子が消え失せた様にも感じられる。
(まぁ・・ココはまだ昔からのあまごが泳ぃどるっちゅぅ〜こっちゃろ!)
[バシュッ!]
「っしゃぁ!・・ド派手な出方しよって・・・これ8っ寸行ったぁ?(笑)」
[プッ!]
(・・・・・)
「・・・って、バレたし!(悲)・・・あぁ〜ぁ・・・」
2時間目に入ってから、反応が良くなったと感じて、再びQBP#16に戻して同じ様なスポットを数ヶ所攻めたが全く反応は無い・・・
直後に・・・
(あっ!見切りよった!)
それなりの流速の小スポットで魚が毛鉤に出る素振りで動き出し、QBPの目前で流芯にUターンするのが見えた。
吾輩「見た見たぁ?・・今の見たぁかぁ〜・・QBP見切りよったし!Uターンしたし!・・見たよな!今の見たよな!絶対!」
天声「誰にホザぃとんねん!・・ハィ見た見た・・」
吾輩「これで(ハイフロートに)毛鉤変え出たら効果アリやろぉ〜・・・」
急いでバイビジブル#16に交換して同じレーンをショートトレースすると・・
[パァ〜ン]
「っしゃぁ〜・・ぁぁぁ〜乗・ら・ん・か・っ・た・!」
吾輩「・・んでも出たし!・・見切らんかったし!・・(毛鉤を)喰いに来たし!」
天声「フックアップしてから納得せぃよ!」
吾輩「ィヤィヤ!・・・魚がフライにアタックしたし!」
天声「釣ってナンボじゃ!・・しょぉ〜もなぃ納得すな!」
この目前で起こった事象を見る限り、やはりハイフロートには魚がスレていない様にも見受けるが、結果的にフックアップしていない事も考慮すれば、流し方に依存した結果なのかもしれない・・・
しかし、理屈は抜きにして感性で捉えると[ハイフロートの効果有り]と認められる事象に感じられた。
[パァ〜ン]
「まぁ〜た(毛鉤)フッ飛ばし上がった!ホンマ!(怒)」
[パッカ〜ン!]
「・・って、オモチャと違ぉて餌やし!(怒)・・虫や虫!・・喰いモンやて・・ホンマにぃ・・」
最初のアタックで毛鉤を弾き飛ばし、続いて着水した毛鉤にヘッド&テールの連続技を決め込んだ7寸も不発・・・
「これ案外(毛鉤を下から見ると)ごっつ見えるぅんかなぁ〜?」
概ねこの様な出方をする時は魚が自分の口に対して大きな餌と見受けた時にやると感じていて、ハイフロートの曖昧なシルエットが意外に大きな餌に見えているのか?・・と言う気もする。
(そやけど#16やし・・他の渓の5寸やったらわからんでも無ぃけど・・・)
「いっぺん(一度)毛鉤変えてみよぉかぁ?」
(・・て、サイズダウンしたら#18てか?)
しかし、昔からこの手の毛鉤(ハイフロート)はごく自然に#18に集約されて行った気もする。
ホイットレーを取り出して仕切りの小窓を確認すると・・・
(あれ?バイビジブル#18入ってへんやん?・・他の箱やったっけ?)
「まぁ〜エエわ!コイツでもあんまり変わらんし!」
結ばれた毛鉤はレネゲイド#18・・・
直後に・・
[ポチョッ!]
(なんじゃ・・イワナの野郎・・・・)
「あれ?・・あまごやん!(驚)・・けったいなイワナ見たぃな出方しよって・・」

(なんかショボぃなぁ〜・・・7寸あるけど幅無ぃ他ん渓で釣れる魚に似てるし・・・)
「あっ!・・(かわいそぉ〜に)スマンなぁ・・・」
この魚・・・片目が無かった。
恐らく幼少の頃、鳥か釣鉤にやられて片側の目を失ったんだろう・・・

↑片目の無いあまご・・・これまでに他の渓でも2匹程釣ったことはあるが、やはり捕食が限られるのか比較的痩せた個体だった。
(コイツだけは釣れたトコにもどしたらんとなぁ〜・・・)
流芯を渡り潜んで居たであろう岩を見据えてそっと放してやると、一目散に岩下めがけて泳いでいった。
「頑張って生きぃ〜よ!片目のジャック!!(笑)」
(今のはおまけやし!)
「さぁ〜て・・もうそろそろ2時間目も終わりまっせぇ〜・・・・」
程なく
[パシュッ!]
「っしゃぁ〜・・エエ出方やんけ!そんでエエねん!(笑)」
水面に躍り出ることもなく、毛鉤を弾き飛ばすこともなく、理想的な出方でフックアップしたあまご・・・

↑本日漸く理想的なアタックでフックアップしたあまご・・8寸には届かない個体であったが、それなりに満足の行く魚だった。フライはレネゲイド#18・・・
「こぉ〜れぇ〜はぁ〜・・8っ寸届かんなぁ・・・23(センチ)!・・(笑)」
そろそろ2時間目が終了するタイミングでウェットに切り替えるとすれば、この場から見える車に戻る必要がある。
(どぉ〜するぅべぇ〜か?)
「このまま通しで行ったろかぃ・・・」

↑先程のあまごが出たポイント・・赤星が毛鉤の着水で黄星が顔出ししたところ・・・当然、立位置はこの星を一直線に結んだ後方で完全アップストリームである。今日はいつもの深瀬に近い一級どころはサッパリで、この様な比較的浅い瀬の泡絡みをシュートドリフトで流す釣りに反応が良かった。これがハイフロートの効果なのか?・・ポイントが竿抜けになっていたのか?・・少々悩ましいがハイフロートの効果と信じたい。
「さぁ〜て・・こっからエエ感じやったなぁ〜(笑)」
(・・って、こないだはカゲロウのハッチがあったからやろぉけど・・・)

しかし、先程までの静寂が嘘の様に風が吹き始めた。
[ヒィユゥ〜〜〜」
「何で今なん?・・何で急にここまで吹くん?・・・なぁ?・・(怒)」
[ヒィユゥ〜〜〜」
いきなり川下を殴り下る様な向かい風に成す術も無く、20分程その場で足止めを余儀なくされた。
(・・・・・・)【←腹減ってるんで文句も言わんとお茶飲んで休憩中・・・】
(毛鉤交換しとこかぁ〜・・・)
[ヒィユゥ〜〜〜」[ヒィユゥ〜〜〜」
再びホイットレーを取り出し、新しいレネゲイドに交換しようと小窓のピンに指を添えると、その左隣にちゃんとバイビジブル#18が入っている。
「なんや!有るし!(笑)」
[ヒィユゥ〜〜〜」
(モウロクしたもんやで・・見ぇ〜てへんのかぃ・・情けなぃ・・)
「あぁ〜(風止んできれへんかなぁ〜)・・・」
毛鉤をブラウン・バイビジブル#18に交換し、風が止むのを待つ・・・・
(おっ?・・治まったか?)
今までが嘘の様に風が止み、静寂が戻って来た。
「よっしゃぁ〜始めよかぁ〜・・」
[ヒユゥ〜]
「・・って、吹くんかぃ!今度は逆にぃ?!」
先程までは釣りを諦めざるを得ない状況の向かい風であったが、今度は少しやさしい感じの追い風が吹き出した。
「まぁ・・こっち向き(追い風)やったらまだマシ・・っちゅうか、この程度やったら逆に飛ばし易いわ!」
ところが・・この様に思えたのはいつもの道具立てを用いた場合で、今日の道具立ては少々違っていた。
[ヒユゥ〜・・・・・フワッ・・]
[バシュッ!]
(・・・・・・・・・なにぃしとんねん・・コイツら・・呆)
久しぶりにハイフロートの毛鉤を用いた為、スッカリ忘れていたが・・・・
(そぉ〜や・・これ・・・)
「こぉ・れぇ・がぁ・・難儀なんや・・」
程なく・・・
[ヒユゥ〜]←心地よい感じの追い風が吹く。
[フワッ・・]←毛鉤が舞い上がる。
[バシュッ!]←直後に魚が出る。
「何で(毛鉤が)舞い上がるタイミングで出んねん!さっきから!(怒)」
いつものタックルでクイルボディー・パラシュートを結んでいる時は絶対に起こらない事象である。
この辺りを少し詳しく説明すると・・・
・キャストして毛鉤が着水すると、ドラッグを回避する為にラインを持ち上げる。
・そよ風が背後から吹くとラインが上流側に少したなびく。
・ラインがたなびくとリーダーを水面から引っぺがす。
・水面から引っぺがされたリーダーは意図も簡単にフライを舞い上げる。
・毛鉤が空中に舞い上がった直後に魚が出る(空振り)。
・・・・と言う状況で、(毛鉤が水面に乗って)浮いている間に(魚が)出てくれればよいものを、これまたT川女神の仕業なのか計った様に絶妙なタイミングが2回続いた。
「・・・かと言ぅてライン持ち上げんんかったら一発でドラグかかってまぅし!」
(悩ましトコや!)
[バシュッ!]
「ったぁ〜・・外れた!」
(今ぁ・の・は・掛けとかな・・)
「・・アカンやろぉ〜」

↑離渓して車に戻る際に撮った写真・・・追い風に舞い上がるバイビジブルに苦戦しながらも、完全アップスタンスの立位置を確保すべく、流れの中を左右に動き回って釣り上がった。しかし、こんな渇水状態だから出来たものの、いつもの水量であれば不可能だったかもしれない。
カーブを曲がると風向きが変わり、今度はフライがコロコロと横に転がりだす・・・
「かぁ〜・・もぅ!(転がる前に喰うてぇ〜なぁ〜)・・・」
[バシュッ!]
「しゃぁ〜・・やっと掛かった!(嬉)」
(7寸ちょっと?)・・・21センチを超えた程度のあまごである。
【バシュッ!】
「おっ!ライズした!!・・ぁ〜ちょぉ〜写真パス!早ぉせな(魚)動いてまぅ・・」
魚を掛けてハンドライドした時に、少し上手(かみて)浅瀬の底石が発する泡筋の脇でライズを確認・・・
慌てて手にした7寸あまごを流れに放ち、ライズスポットに照準を合わせて立位置を決める。
(贅沢なモンやで・・・天増やったらライズ有っても7寸ヤマメの写真優先すんのに・・)
これもT川ならではで、普段なら20センチ超えはトップクラスに入る為、写真がパスされることは余程豊漁に恵まれない限り有り得ない。
(あれ?遅かった?・・出んなぁ〜・・)
「もひとつ上の泡筋かぁ?」
二歩前に出てショートトレースを試みる・・
その2回目・・・
[バシュッ!]
「しゃぁ〜・・居ったし!・・さっきよりちょっと大っきぃやん!(笑)」

↑本日5匹目となるあまご・・・フライはブラウン・バイビジブル#18、入渓直後の不毛状態を脱したのはハイフロートの効果か否か?狙いどころも多少はあった様に思えるが、水面に高く乗って浮く毛鉤も多少は効果がある様に思えた。
この後、ポイント的にも今日の釣りに不向きと感じる渓相が続く・・・
(あきまへんな!)
「そやけど・・このアプローチ(ハイフロート・ドライフライ)・・・有りか?無しか?・・・ちゅう〜たらアリやなぁ・・」
ここまでの【試行】にて、やはり多少効果が有る様に感じられる。
(やっぱし、どこも一緒で・・・皆さんパイロットフライにお使ぃなんは、パラシュートかCDCなんやろか?)
この手の毛鉤は自重の割りに空気抵抗が少なく飛行中の回転も軽減される為、ロングリーダーに傾いたと感じる昨今のドライフライフィッシングを代表するパイロットフライなのかもしれない。
・・・と言うことは愛好者も多く魚側も目にする機会が多いのか、何かの拍子に魚が見切る素振りを見受けることが多くなってきた。
(こんな風に感じる時あんの・・ワシだけやろか?)

[バシュ!]
(ぁらぁ〜・・・完璧不意打ち喰ろぉてもぉ〜た・・)
余りにも出が悪く、毛鉤を投じた直後から次なるトレースポイントと立位置を見定める事に気が行って、絶好の当りをアワセ損ねて弾かれてしまった。
「アカン!腹減り過ぎ!・・・(渓から)上がろ!」
入渓から4時間半が経過した頃、漸く見切りがついて本日前半戦の【試行】が終了・・・
車に戻り、後半戦の場所決めもあって、とりあえず下手(しもて)に向けて車を走らせた。

Aいつものイブニングポイント上流(16:30〜18:00)
(5匹てか?・・先週見たぃにカゲロウのハッチ無ぉ〜たらこんなモンなんやろなぁ・・・)
「さぁ〜て・・一発勝負て・・どこですんねん?」
下流を目指す車中で色々思案をしてみたが、そもそも【一発勝負】に賭ける場所を知っている訳でもなく、持ち前の軟弱気分が運転を支配して車を停めたのがいつもの場所である。
天声「・・ここかぃ?」
吾輩「まぁエエがな・・右も左もわからん場所より、ちょっとは知ってるポイント狙うんがエエやろし!」
天声「それ一発勝負違ぉて、普通の釣り方やろ!」
吾輩「なんもかんも勝負できるかぁ〜・・・ここでウェットとフラッタやるし!」
天声「中途半端な一発勝負やのぉ〜・・」
吾輩「今日はこのぐらいにしとったれや!(笑)」
天声「・・アカンでこれ・・・呆」
遅めの昼食をとりながら、胸中は「もっと攻めろ!」と言う思いと、「程々にしておけ!」と言う葛藤が沸き起こるが、老骨となった我が胸中は意図も安直に軟弱方向に傾いてしまう・・・・・
「まぁ〜、ちょっと休んでウェットで釣り上がって、戻ってきたらそのままイブニングでichrキャバクラの客になったろかぃ・・」

↑結局、車を停めたのはいつものイブニングポイント・・・一発勝負とは名ばかりでいつもの安直な釣りであることは否めない。まずは儀式と言うか時間潰しの様な感じで、ここからウェットで釣り上がってみることにした。
「さて・・・」
10フィートの自作スイッチロッドにWF−5−Fをセットアップし、ドライフライは一切持たずに水際に降り立ち、まずはウェットフライで釣り上がって見ることにした。
リードフライはアンカー役のマーロックス・フェバリット#10、ドロッパーは本命毛鉤のダンケルド#10・・・・
大きく深呼吸して釣り開始・・・
しかし、全く当りが無く時間だけが過ぎて行く・・
やがて入渓から1時間が経過した頃・・
[ククッ!]
「・・?(リード喰ぅたぁ?)・・・っしゃぁ〜・・乗ったし!」
[ファン〜]
「ぁ〜・・バレたぁ〜(ドロッパーが喰わせ鉤やし・・)リード喰ぅと思ぉてへんかったさかぃ・・アカンかったねぇ〜・・」
その後はサッパリ当りなし!
「アカン!(イブニングポイントに)戻ろか!・・やっぱり一発勝負はもっと真剣にやならアカンな!(笑)」
天声「そやし!言ぅたやろが!!」
吾輩「今度今度!」

Bいつものイブニングポイント(18:00〜19:45)
イブニングポイントに戻ると、これまた羽虫は皆無で本日キャバクラ休業の雰囲気が漂っている。
ポイントの中程にアグラをかいて座り込み、水面をぼんやり見ながら休憩することにした。

↑余りにも暇なのでパノラマモードで撮った写真・・ライズはおろか羽虫の飛来もサッパリ・・・
(っち!!・・・まぁ〜た日没直後に申し訳程度の開店かぃキャバ嬢の奴ら!)
やが辺りが薄暗くなり始めるも、サッパリ魚が動き出す胎動が見られない。
「そろそろ開店準備の時間でっせぇ〜・・アホか!ちゃっちゃと動け!」
時刻は18:45分・・・
全く餌虫類のハッチは見受けられない。
天声「暗ろぉなる前に勝負賭けぃ!瀬上とその上の深瀬・・・」
吾輩「さっきウェット流してサッパリやったし!無駄無駄!魚動き出さんと!」
天声「フラッタや!」
吾輩「めんどくさぃ事ぉ〜・・んなモン・出来っかぁ!・・・ウェット結んだぁ〜んのに!」
天声「ドロッパーカットしても枝ス残したままで出来るやろ!」
吾輩「わぁかったし!」
「はぁ〜・・ほな行きまっかぁ〜・・」
ゆっくりと立ち上がり、ドロッパーをカットして枝スはそのままにしてリードをカットしてマドラー・セッジ#10を結んだ。
そのまま瀬上へと進み、まずは1段上の深瀬にトライすべく、立位置を思案する。
(これどこ立つねん?)
ウェットを流すとなれば苦労は無いが、フラッタをかますとなれば立位置と見立てた所はガンガン瀬もガンガン瀬のど真ん中である。
(あんなもん立てるかぁ〜・・)
已む無くガンガン瀬をパスしてその後方に立位置を決めた。
大きくバックキャストを開始した時・・・
天声「お前・・7寸やったらここで出ても抜けるけど、それ以上が掛かったらこの目の前の荒瀬どなぃするんや?!」
吾輩「確かに!・・んでも出ぇ〜へんやろ!」
天声「それがアカンねん!そこが甘ぃさかぃ詰めでしくじんねん!」
吾輩「わ・か・り・ま・し・た・」
「・・って、ココ立てるかぁ?」
已む無く荒瀬に足を突っ込み、細心の注意を払いながら踏ん張りどころを見定め、何とか魚が掛かっても取り込める立位置を確保した。
(ぅ〜っと・・危なぁっ!・・気ぃ抜ぃたらコケっしこれ!)
神経の半分は踏ん張る足・・・
残りの半分がポイントを攻める釣りに配分され、大きくバックキャストして2回のフォルスキャストでループを整え、狙ったスポットにフライを落とす・・・
[スゥ〜・・・・・・]←ナチュラルドリフト
[ビビビビビビッ!]←フラッタ!
[スゥ〜・・・]
[ビビ・【ガボンッ!】・・・]
「(嘘っ!)出よった!!・・・(魚)毛鉤に触れてへん!(・・まだチャンスある!)」
一瞬で本気モード突入!
すかさず2投目でラストチャンスに挑む・・・
[スゥ〜・・・・・・]
[ビビビ【ガボンッ!】ビビビッ!]
「がぁ〜!乗らへん!(悔)」
[スゥ〜・・・]
[ビビ・]
【ガボンッ!】
[ビシッ!]
「っしゃぁ〜・・・乗ったでフラッタ!」
荒瀬で踏ん張る両足から血潮が頭に沸き上がる興奮と同時にドーパミンが沸き立ってアドレナリンが体中を暴れまわる状態に突入・・・
とにかくこのフラッタリング・カディスで魚を掛けると他では味わうことが出来ない興奮を覚える!(←私だけなん??)
(これ結構行ったんちゃぅ!8っ寸所やないし!)
全く躊躇うことなくネットを構えたランディングポーズ・・・
「よっしゃぁ〜捕ったぞぉ〜!(大嬉)」
ネットに納まったのはこれぞT川あまごと言える見事な魚体である。
(っとぁ〜・・・・気ぃ抜ぃたらコケっし!)
下半身は興奮状態のおすそ分けが頂けず、ひたすら流圧に耐えて踏ん張っているが、上半身はその分倍程興奮して魚に見とれている。
「これぇ〜9寸・・ちゅうか28(センチ)は楽勝やし・・・板の上置いて口つぶらして背筋引っ張って尾鰭しっかり引き伸ばしたら・・・・んでも尺は無ぃわなぁ〜・・有っても29(センチ)やけど・・・ィヤィヤィヤ・・エエ魚やしホンマ!」
思わずカメラに手が伸びてとりあえずネットの中の写真を撮った。
「こぉれぇはちゃんと写真撮らしてもらわな・・あっこの浅瀬行こぉか・・・」
しかし・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
ここはT川・・・
これで全てが完結し、ここで美しく終われる程、甘くはなかった。
浅瀬に向かって一歩踏み出した時・・・
T川の女神に「ちょん」と背中を突かれた気がした。
「ぅわっ!」
(っち!・・・危な!)
「アカン・・・}
[バシャバシャ・・・]
(ヤバ!)
[ドサァ〜ン!]
一瞬でバランスを失い、ロッドを放り投げるもネットは意地でも離さず、それが更にバランスを損ない大転倒をしでかす直前で流芯の向こう側に顔出しした岩を抱き込む様に倒れこんだ。
(・・・・・・)
(ぅっ・・・痛ぁ〜・・・)
それでもネットだけは離さなかった。
しかし・・・
当然ながら魚の姿は無い・・・
痛みを堪えて立ち上がり、放り投げたロッドを拾いに行くと・・・
目前にマドラー・セッジが引き波を立てている。
(逃げたん・・)
「・・・(声も出んし!)・・」
ネットでランディングした見事な魚体をカメラに納めて持ち帰ることは幻と消えてしまった。
天声「撮れてる撮れてる・・・ネットの中で、撮れてる撮れてる!」
吾輩「撮れてるかぁ・・フラッシュもそのままでシャッター押しただけやのに!」
それが下の写真である。・・・案の定、糞の役にも立たない。

↑これでは魚を釣りました・・・と言うことにしかならず、落胆はこの上無い。
察するにこの後でしっかりと魚の写真がとれていれば、今回この記事は[やはりフラッタリング(カディス)は止められない!]とか[ビビビビビ・・ときてガボン!の迫力!!]と言う文言が表題を飾って居ただろう・・・・久しぶりの9寸超えをフラッタで掛けた興奮は数日間に渡り持続的効果を持って心地よく体内に浸透して行ったに違いない。
しかし転倒の瞬間、アドレナリンも一瞬で吹っ飛んだのか、痛みと口惜しさが込上げて憂鬱にも似た気分となった。
再びイブニングポイントの定位置に座り込み、ゆっくりとお茶を飲んで一服つける。
(まぁ・・一応釣った事にはなるやろし!・・いつもの失態思ぉたらちょっとは進歩かなっ!・・)
「・・って、もぉ〜エエ加減に勘弁せぇ〜よ!・・・あんな魚ココでしか釣れへんし!(落胆)」
落胆の中、フライを元のウェットに結び替え、イブニングライズ待ちのスタンバイ完了・・・
(まぁエエわ!)

↑顛末の直後、せめて魚を掛けたポイントだけでもとわざわざ撮りに行った写真・・・闇はそこまで迫っている。

↑上記の写真で赤@が毛鉤の着水点、赤@→黄Aがナチュラルドリフト、黄A→赤Bがフラッタリング、赤B→黄Cがナチュラルドリフト、黄C→フラッタ(逆引き)で黄星が【ガボンッ!】と出たヒット点・・・途中にある赤星は最初の【ガボンッ!】で不発点・・・だいたい雰囲気はお分かり頂けると察する。
「はぁ〜ぁ」
[バシャッ!]
「おっ!・・・やっと開店しましたかぃ・・キャバ嬢さんよ!(笑)」
暫し状況を観察するが、今日はキャバ嬢1匹の貧相な開店である。
(ほな、相手したろかぁ〜・・)
立ち上がって、ループも適当にフライを投げ込み、これまた適当にターンを掛ける・・・
[バシャッ!]
「っしゃぁ〜・・さぁ・すぅ・がぁ・は・ダンケルド!!」
足元に寄ってきた魚は23センチ程、8寸足らずのキャバ嬢あまご・・・
ネットで捕り込みフックを外して記念撮影・・・
(ichrに見せたらな・・あかん)
「あっ!・・・・・」

そのまま無言で渓から上がった。

しかし、ここからがまたまた鬼門のT川・・・・
後髪を引き倒す仕業を忘れないのが腹立たしい・・・
帰り支度を終えて車に乗り込む寸前・・
[ブワァ〜ン]
「あれ?ヒゲナガ飛んでるぅ〜??」
何の気なしに橋まで行って川面に目をやると・・・・
[バァ〜ン!・・・(もぉ〜帰るのぉ?)]
[バシュッ!・・・(今からがお楽しみよぉ〜)]
[ババァ〜ン!・・・(フラッタリングにお付き合いするわよぉ〜)]
そこはサイズこそ解らないが数匹が同時に白煙を上げるイブニングライズ・・・
「エエ加減にせぃよ!・・・・はぁ〜ちぃじぃ(8時)回ってんねんぞ!」
(コイツらホンマ・・・ぃ〜つぅかぁ・・いてこましたるぅし!・・)
「馬ぁ〜鹿ったれがぁ〜・・」←精一杯の負け惜しみ!
「っち!・・(見ぃ〜ひんだよかった)・・・(悔)」
恐るべしT川・・・
ドーパミンとアドレナリンをしこたま消化させ、落胆を味あわせた後、口惜しさを土産に持たすとは・・・
やはり、素晴らしい渓であるには違いない・・・・



*道具と毛鉤*
<ドライフライフィッシング>
ロッド:SILVER LABEL TL801 (8'0"#1) 『ORVIS』
ライン :DT-2-F
フライ :ブラウン・バイビジブル#16、#18、レネゲイド#16、#18(あまご5匹)
<フラッタリング・ウェットフライフィッシング>
ロッド:SuperPulser CGF104 (10'0"#4)改 『ufmウエダ』
ライン :WF-5-F
フライ :フラッタリング・マドラー・セッジ#10(あまご1匹)
フライ:ウェット・リード/マーロックス・フェバリット#10、ドロッパー/ダンケルド#10(あまご1匹)
posted by bacoon at 22:08| Comment(2) | 湖北に行く | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今年三度目のT川釣行、お疲れ様でした。
まさに泣き尺のキャッチ(?)、お見事です。
私は6月15日に急な所要が出来たため午前中のみT川へ行きました。
朝一に入漁券を買うのにもたついたため、有望視していた青橋前後とO川、H川前後も車が停まっていて、結局入ったのはいつもの堰堤上でした。
最初のトロ瀬で24センチのアマゴを1匹キャッチしたのみで、あとはチビアマゴばかりを10匹ほど・・・。
昼前にずっと下流へ下がってW地区に入ったものの、不発で早々に帰りました。
雨も降らず超渇水状態ではこんなもんでしょう。
中間禁漁が7/1〜7/7とのことで、雨さへほどほどに降れば今月いっぱいは期待できるのですが・・・。
Posted by og at 2013年06月17日 13:37
ogさん、こんばんは・・・

>雨も降らず超渇水状態ではこんなもんでしょう。

ホンマに雨が降りませんねぇ〜・・・
今年は晩春に寒暖の差が激しく私が通う北近畿の渓々は例年になく低水温に悩まされた直後に水温は鰻上りの渇水ですので、この先の真夏が思いやられます。
>有望視していた青橋前後・・・・

私が出向いたこの日(6/8)もココを密かに考えてましたが、ブログを拝見して・・もしかするとogさんの倶楽部の方が入られていたのか?とも思ってました。
文面にも書かれて居られた様に、やはりこの水量ならこの辺りが有望と思えた事がogさんのお考えと一致していたとすれば、少しこの渓が分かりだして来た様な気がしてます。
>まさに泣き尺のキャッチ(?)、お見事です。

詰めが甘くてお恥ずかしい限りですが、大怪我してもおかしくない転倒劇でしたので、それだけでも救われたと思う事にしました。
しかし、この魚をネットインして目の当たりにした直後・・・
「こんな魚に慣れてしもたら、他の渓に行かれへん様になるんちゃぅか?」
・・・と言う思いが湧いて出て、常々Birdさんがおっしゃってる事をちょっぴり感じたと同時に、北近畿の渓を徘徊する私としては琴線に触れてしまった感じで少々恐れを抱きながらも期待もあって葛藤してます。
>中間禁漁が7/1〜7/7とのことで、雨さへほどほどに降れば今月いっぱいは期待できるのですが・・・。

おっしゃる通り雨が必要と感じます。
この渓は私の稚拙なウェットは相手にされませんが、意外にカディスの逆引き(フラッタリング)には反応が良い気もしますので、本格的に暑くなる前にもう一度試してみたいと思ってます。
また、お逢いした時はよろしくお願いします。
Posted by bacoon at 2013年06月18日 19:54
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