2012年05月05日

佐々里を見続け四半世紀が過ぎた今・・・


美山川・佐々里F&L特別区
■2012−5−5(土)晴れ雷曇り
■佐々里サイズはそれなり、チビ含めてそこそこ・・
■同行者なし(ichr君にバッタリ!)
往路では夕刻前まで櫃倉谷を釣って、夕刻に佐々里を攻める予定を考えていたが、土壇場で気が引けて出合橋を右折・・・
しかし、佐々里は満員御礼状態で出遅れ族は割って入るスペースも無し!
已む無く上流部を中心に最近の佐々里を再確認する釣りに専念した。

結果だけ簡単に見る

GWの[こどもの日]・・・
少し前であれば、子供を釣れてナンダカンダと家族サービスもあったが、今となっては我が家で子供=私となるらしく、5月5日は[おとんの日]と言う図式が成立している。
「さぁ〜て・・」
子供が帽子を被って水筒をタスキがけに遠足に出向く如く、朝の6時過ぎにいそいそと車を走らせた。
今年のGWはまともにカレンダー通りとなって、高速を使うとトンでもないことになる。
私の住まいは東に向かうとなれば吹田IC、西に向かうとなれば中国豊中IC・・・
東は天王山トンネルから京都・大津辺りまで、西は宝塚トンネルから山陽・舞鶴分岐辺りまで、この辺りの大渋滞に巻き込まれると釣りどころではなくなってしまい、最短アクセスとなる安曇川でさえも、正午に到着すれば御の字と言う状況にもなりかねない。
・・となれば、目指すは美山川流域となり、これまでも色々とお世話になって来ている。
「今からじゃ到着は8時半・・いや9時前やろぉ〜・・・」
当然、佐々里はフライフィッシャー諸氏が押し寄せて普通の渓流釣りをさせてもらえない状況は明白・・・
「櫃倉(芦生特別区)、今年はやっとんねんなぁ〜・・」
しかし、GWも後半となれば完全に出遅れている事も否めず、前回芦生ロードパークから見た唐戸の流れも若干興味を引いていた。
「(唐戸は)宝探しか発掘か?っちゅう釣りになるやろしなぁ〜」
そこで一応は櫃倉や唐戸を意識した道具類を詰め込み、夕刻は佐々里で締めると決めて家を出ていた。
箕面トンネルを抜けて[能勢]から[園部]経由で下道を進み、神楽坂トンネルを抜けて美山に到着したのが8時を回った頃・・・
[安掛]を通過して[南]堰堤の脇を走る頃を迎えても、これからどうするかを決めきれないでいる。
「あっ!結構水量ありまんがな・・こりゃ唐戸はパスでんな!(笑)」
そこで、いつも一般区の魚券を購入する[中]地区を通過・・・
ところが[田歌]を走る頃になって、ある事に気がついた。
私の車の前に4台の車が走っており、丁度5台が数珠つなぎになる形で走行している。
「?ちょと待てよ??」
(これって、釣り人やんなぁ?)
私の直ぐ前を走る車は積載されているロッドケースからして、どう見てもフライフィッシャーの様な気がする。
その前の車はもしかすればハイカーかもしれないが、その前の2台は完璧に釣り人を主張する様な【名人】ステッカーが張られていた。
(まさか【名人】でフライフィッシャーはなぃか?・・・)
「いや、わからんでぇ〜・・海釣りは餌で渓流はフライっちゅう人も見受けるしなぁ?)
(これぇ?皆・・出合橋右折やろか?)
この先、出合橋を右折すれば佐々里確定と考えてほぼ間違い無く、直進すれば櫃倉に入られる確率がかなり高いと見受けた。
「まぁ〜佐々里やろな・・(笑)」
いつもなら芦生ロードパークで休憩を入れるが、今日は前方4台の行き先が気になりそのまま数珠つなぎとなって出合橋を目指した。
(皆さん右折かなぁ〜?・・笑)
予想では少なくとも3台が右折し、1台が直進する程度と考えている・・・
いよいよ出合橋・・・すると先頭車両が橋の手前で何やら後続の車に合図をして、右折すると思いきや直進・・・3台目までがその動きに数珠つなぎとなって[須後]方面に向かわれた。
そして直前を走る車両もいったん橋の袂で減速した後、ゆっくりと直進して3台を追いかけて行った。
「あっりゃ〜・・皆直進するん?」
これを目の当たりにして出合橋の袂で迷いが生じて暫しの思案・・・
(演習林行きかぁ?・・そやけど、まさか全員トロッコ道ちゅうことはないわなぁ・・)
「どぉ〜するべぇ〜か?」
(・・んでも、今からじゃ佐々里は割って入るスペースあるかぃ?)
「うぅ〜ん・・・」
(そやけど、もし櫃倉やったらそのまま数珠つなぎで入ってもサッパリあきまへんでぇ・・それに雲行き・・今日は急に雷さんが宴会始めるかもしれんしなぁ・・・)
家を出る時にチェックした天気予報で晴れながら大気の状態が不安定・・と言う表現が非常に気になっていた。
「いったん佐々里見て決めんのがエエやろ・・」
そして取り合えず出合橋を右折・・佐々里の状況を見て混雑していれば時間を置いて彼ら(4台)が入渓点を決めた頃に櫃倉に出向くのが得策と考えた。
ゆりのき橋を超え、白石橋・・
「やっぱり最下流から入りはったんか?」
少し行くとまたまた釣り人・・・
野倉橋辺りにも車・・・
(うぅ〜ん・・)
「(こりゃぁやっぱし!)割って入られへんな!(笑)」
そして九鬼橋・・・
「あれ?・・あの車・・ichrちゃぅん??」
・・するとその前方で私の車を見つけたichr君がロッドを高く掲げてこちらに手を振っている。
即刻車を停めて、外に出てみた。
ichr「まさか来てはるとは・・・(笑)」
吾輩「何時頃から来とんねん?(笑)」
ichr「徹夜してその勢いで来たんで6時過ぎです。」
吾輩「んで?釣れたんか?(笑)」
ichr「いや・・まだまだですわ!」
吾輩「出たか?・・」
ichr「カワムツばっかり!(笑)」
路傍に停めた車が邪魔になると思い、とりあえずバックしてichr君の車の脇に停めた。
(来とるんやったら、櫃倉は諦めてココで釣る事にしょぉ〜か・・)
そして、入渓の準備をしてウェーダーを履きカメラを抱えて再びichr君の様子を見に行った。
吾輩「連休中何回目や?」
ichr「いや、この前から今日が始めてです。」
吾輩「なんや・・あれから今日まで釣りせずかぃ?」
ichr「いや・・2日に今年最後の北田原に行って来ました。午後からですが14匹釣れました。」
吾輩「ドライに出たか?」
ichr「いやぁ・・やって見たけどあきまへん!(笑)・・そやけどイワナが釣れましたわ!」
吾輩「そらぁ良かったな・・」
ichr「・・でも、やってみて思ったんですけど、こっち(渓流)の方が断然オモロイですね・・カワムツしか釣れぃでも・・・(笑)」
吾輩「今日は付いとかんでエエな!」
ichr「エエ大丈夫です。」
この様な会話を楽しんでいる間にも、2台程上流に車が走って行く・・・
吾輩「ほな、ワシこの上手(かみて)か上流辺り釣って昼に様子見に戻るわ!」
ichr「わかりました。」

↑美山高校の下手(しもて)で頑張るichr君・・何とか早くあまごかヤマメを手にしてもらいたいと願う。
「さぁ〜て・・」
(話してる間に車2台も上がって行きよったし!)
車を走らせichr君に手を振るも彼は毛鉤を必死に流している真っ最中・・
高校裏から堰堤までを彼に委ねる事とし、その先が空いて居ればそこから入らせて頂くことにしたが・・
(あっちゃ〜・・入りはんねんな・・アカンし!)
話をしている間に上流に向かわれたブルーのワンボックスが丁度車の鍵をロックして出陣されるところである・・・
(ちょぉ〜待てよぉ・・・)
最下流付近でお見受けしたx’trailにこのブルーのワンボクス・・・
もしかすれば佐々里HPの掲示板にそれなりの釣果を報告されている方々かもしれない・・・
「こりゃぁ・・もうちぃ〜と時間空けなあきまへんな!・・・(笑)」
遅出の私は人の後を釣るのが慣れっこになっているが、それでもある程度の時間差は必要で先行者がある程度の釣果を引き出される方々ならば、直後の後追いは[打つ手無し!]と考えるのが安全と見た。
已む無くスペースウッドさんに出向いて入渓の記帳を済ませ、中下流部を諦めて上流を目指した。


@F&L区間最上流部(9:30〜11:00)
キャンプ場を過ぎて暫く進むと・・
(アッカン・・入ったはりまんがな・・)
更に進むが・・
(ありゃりゃ・・エエ区間割りで)
やはり、適度に距離を置いて皆々朝から入渓されておられた。
結局、区間最上流の堰堤の手前で車を停めて、まずはこの辺りを釣ってみることにした。
(こっから入ったら、ゆっくりやっても堰堤まで小一時間かからんやろ・・・)
そして7フィートのロッドを持って渓に降り立ち、早速セオリー通りにスタンダードドライの釣り上がりを開始した。
ところが・・・これがサッパリである。
(これぇ?)
連休中のプレッシャーとも思えたが、一方で魚影そのものが希薄と言う気が脳裏を過る・・
「アカン!・・ここちょっと厳しいな!」
30分程で切り上げて、一度車に戻り6フィート11インチのロッドに交換し、今度は車を停めた場所の下流側をややデリケートに探りを入れながら釣ってみる事にした。

↑上流部でよく見受ける絶好のポイント・・ところが今日は連日の猛攻によるハイプレッシャーが原因なのか?この様なポイントはサッパリだった。
まずはセオリー通りに釣り上がって見たが・・・
「サッパリでんがな!」
案の定、メボしい一級ポイントは全く反応がない・・
已む無く、竿抜けにスポットを絞り、釣り人が踏み入れない浅瀬の石周りを丹念に探る釣りへと切り替えた。
[パシュッ!]
「やっと出た!」

↑本日1匹目のヤマメ・・浅瀬の石にタイトに張り付いていた。フライはエルクヘア・カディス#16・・ギリギリの外掛りでもあった為、その後はフライをクイル・ゴードン#16に変更・・結果的に魚の出が良くなった気がする。
その後も一級ポイントは程々に浅瀬の石周りを丹念に探る竿抜け狙い釣りに専念することとした。
[パシュッ!]
「こんなトコでしか餌喰われへんのかぃ!(ちょっと可哀想やなぁ〜)」

正直申して、春の小渓流の釣りと言うよりは盛夏の渇水時期に已む無く行う辛抱が居る釣りとも言える。
それでも何とか辛抱して丹念に石周りを探り上がり、チビも含めて数匹のヤマメをゲットした。

↑この区間最長寸?のヤマメ、フライはクイル・ゴードン#16・・・F&L特別区がスタートして暫くは5月GWが過ぎるまで普通の小渓流の釣りをさせてもらえたが、最近は押し寄せるフライフィッシャー諸氏に相当なプレッシャーを受けているのか、簡単には顔出ししてくれない。コイツも普通なら踏み倒して進む様な石脇から小さく出た。
「さぁ〜て・・」
時刻はもうすぐ11時・・・
辛抱もこの辺りが限界なので、早々に切り上げて場所替えとした。


A何かと噂が絶えない渓(12:00〜15:30)
「・・・で?」
(どこ行く?・・ichrの様子見に行くか?)
しかし、若干時間が早い為、ichr君に最初の一匹を釣らせる事も考えて、一昨年に調査した渓のロケハンに出向いて見た。

「うぅ〜ん!」
(入ってしもたらポイント限られるけど8フィートでやれんことないなぁ・・)
キャストは難しいかもしれないが、8フィートの長さを生かしたダッピングでやれない事はない様に見受けた。
(ちょっと試しに釣ってみよか・・)
・・・そう思ってロッドを降り始めた視界の左上にichr君の車が上がって行くのが見えた。
(アイツ・・ワシ探しとんか?)
早々に切り上げて車に戻って見ると、ichr君の車が停まっていて、その脇に目も虚ろなichr君が突っ立っていた。
ichr「やっぱり私、今日は帰りますわ!・・眠たい!徹夜なんで・・」
吾輩「なんじゃぃ!・・・釣れたんか?(笑)」
ichr「カワムツ4匹!(笑)」
吾輩「・・(笑)・・」
ichr「ホンでもだいぶとわかって来ました・・投げ方・・(笑)」
吾輩「あまご出たか?・・」
ichr「いやぁ・・カワムツだけです。」
聞くと朝6時頃に到着して6時半に野倉橋の上流から入って高校裏上手(かみて)の堰堤まで・・延々4時間掛けて釣り上がったとのことだった。
ichr「ホンでも十分満足です。楽しみはまた次回に・・」
吾輩「徹夜明けで走って来たんか?」
ichr「シーバス(釣り)行っとったんですわ!(笑)」
吾輩「どこに?」
ichr「加古川尻・・(笑)」
吾輩「・・で?」
ichr「サッパリですわ!・・夜中回ってそろそろ言う時に集団で(他のアングラーが)入って来よって騒々しぃてワヤでしたわ!・・・んで、そのまま走ってきましてん。(笑)」
吾輩「元気やのぉ〜・・・フラフラで川入ったら危ない!・・ちょと寝て夕方に再開するか、運転気ぃ〜つけて帰って寝ぃ!(笑)」
ichr「帰って寝ますぅ・・」
吾輩「ほなな・・(笑)」
ichr「お疲れさんですぅ〜・・」
そぅ言い残してichr君は帰って行った。
(これやったら櫃倉行ってもよかったな・・・笑)
そのまま昼食としてその後の釣りを思案する。
(そぅや!・・ココ・・)
一昨年にどの様な状況なのかを知る為に竿出したところ、ヤマメがそれなりに居てくれてC&Rの効果を実感させてくれた渓である。
しかし、一方で何かと噂の絶えない渓でもあり、その噂とは私もHPのPDFコーナーに掲載している【珍重された怪しい渓魚】について・・・つまりイワナが釣れたと言う報告がなされている流れである。
振り返ると私が佐々里を知ってもうすぐ30年になろうとするが、そのきっかけとなったのが初めてこの佐々里を訪れた時、たまたまお逢いした釣り人にイワナ(らしき魚)を見せつけられたことである。
当時は未だ渓魚の区別など論外の知識であったが、渓魚(かもしれない魚)を直接見せつけられたのが大きな衝撃だった。
結果的に【釣れる可能性のある流れ】として強烈にインプットされ、通い続けてヤマメを釣り上げ、その後に様々な事がわかり始めるとイワナの話はどうも胡散臭く思えてならず単純に信じる訳には行かなかった経緯がある。
しかし、それ以降もちょくちょくイワナが釣れた(釣れる)と言う話は絶え間なく続き、虚実曖昧としながらも興味なしのまま四半世紀が過ぎた。
ところが、F&L区間誕生とともにネットや掲示板で実写入りの報告が上がる様になり、この四半世紀以上虚実曖昧として来たイワナが真実味を帯びて来たのである。
「確かに前回(一昨年)は居るんかなぁ?程度でヤマメに的絞った釣り方やったし!」
(あれじゃ〜釣れんかってもしゃぁ〜なぃな・・)
「(よし!)・・(イワナが)居るとせんかぃ!」
しかし、渓相を見る限りイワナ釣りとなれば日ムラが出易く感じ取れ、5月初旬に実行に踏み切るのは少々厳しさも伺える。
(これぇ・・午前中より辛抱居る釣りになるんちゃぅん?)
「またこれ・・(セコぉ〜て小っちょ〜て貧乏ぉ〜臭ぃ・・)みみっちぃ〜釣りになんで!・・ホンマ!」
本心(やっぱし、止めよか?)
邪心(・・尺が出たらどぉ〜するぅ?)
本心(出るかぃ!・・そんな甘もないわ!)
邪心(わからんでぇ〜)
本心(ここで出しても素直に喜べんやろ!)
邪心(・・で、ここ止めてどこ釣んねん?昼寝かぃ?)
本心(・・・)
(確かに・・ichrやないけど、昼寝でもせんとイブニングまですっことないし!)
冷静に考えると、もはや中下流域は既に【一駆け】の方々が叩かれた後で夕刻にトライするしか手立てがない。
・・かといって、【禁断のプール】でミッジングにトライするとしても、せめて3時を過ぎないと魚を手にするのは難しいと見た。
「しゃぁ〜なぃ・・いっぺんはやってみよかぃ!」
本件、賛否行き交う題材かもしれないが、これも佐々里を知りたいが故の行動とご理解頂き、何とかご容赦頂きたい。
そして、この流れにイワナが居る事を前提とした釣りに踏み切る事にした。
「さて・・」
(とりあえず、この流れも最近釣り人多いやろさかぃ、まずはヤマメ狙ぉてプレッシャーが少ない区間割り出そかぁ?・・)
そう考えてまずはヤマメ狙いで釣り上がって行くが・・・予想に反して一昨年程芳しくない。
「うぅ〜ん・・ココも厳しなったんか?」
程なく、この流れのそれなりの瀬・・流れが開いた春のヤマメの一等地で理想的な出方でフライが消し込まれた。
「よっしゃ!・・これを待っとったんや!」

↑漸く理想的な出方で釣れたヤマメ・・出た場所もイメージした通りのエリアでこの辺りからフィッシングプレッシャーが薄いと見て取りかかる事にした。
「エエ出方してくれたのぉ〜・・スマンけど今日はお前はんが目当てちゃぅねん!」
写真を撮りながらワカルはずも無いヤマメ相手にブツブツと言葉が突いてでる。(病気か?笑)
「お前はん見たいに明るぅ〜のぉ〜て、暗ぁ〜ぃ陰気な奴・・ここら居らんか?」
(・・てな事をコイツに聞いても応えてくれる訳無ぃ・・ちゅうねん!)
・・当然である。
「さて・・こっからでんがな!」
いつもなら、ここから若干距離を詰め、立ったままで瀬の流芯周りを一度だけ流して次なるポイントへと切り上げて行くが、今日はその立ち位置にじっくりしゃがみ込んだ。
[シャリシャリシャリシャリ・・]
脇の林道をロードバイク仕様の自転車が走り上がって来た。
そして道路脇の川岸に地蔵の様にしゃがみ込む私を見つけると、視線にフォーカスロックが掛かった如く、私を凝視したまま自転車を漕ぎ上がっている。
[シャリシャリシャリシャリ・・]
そのサングラスに覆われた視線からは・・・・
チャリ「このおっさん!こんなところで何やっとんねん?地蔵かぃ?頭温いんとちゃぅか?」
・・と言う様な雰囲気が感じ取れる。
[シャリシャリシャリシャリ・・]
一方、私も負けじと・・・
吾輩「よぉ〜こんな坂・・チャリ漕いで昇る気ぃすんなぁ!・・そこまでせなビール美味なぃんかぃ?・・前見て漕がなぶつかんぞ!」
・・と言う雰囲気を醸し出し、偏向グラス越しの視線で無言の会話を突き返した。
案の定、前方から降りてくる車に驚いた様子・・・
(ほれ、見てみぃ!・・)
慌てて体勢を立て直し、何事も無かった様に漕ぎ上がって行かれた。
(よっしゃ!・・そろそろココ落ち着いたやろ・・取りかかるとするかぃ・・)
本来なら瀬の流芯1回流しでパスするポイントであるが、イワナが居ると信じて釣るとなれば、ややストロークを長めに3回程流し、流芯を外して岸際(石周り)をタイトに3回程流す・・これを何度か繰り返す攻め方である。
(ナンボ何でも10回ぐらい流したら十分やろ・・)
そしてその一投目・・・
(出るなよぉ!・・チビヤマメが出たらおじゃんやし!・・出るな出るな!・・セーフ!)
続いて二投目・・・
(どないや?・・出るんやったら本命にしてやぁ・・・・)
更に三投・・四投・・
(そろそろ居るんやったら出んかぃ・・)
そして脇をタイトに流してみる・・・
(やっぱり居らんのかぃ・・)
まだまだ粘り強く六投目・・
(居らんな・・これ・・)
そして・・
(ラッキーセブンの七投目でっせぇ・・)
沈黙・・・
「あぁ〜・・もぉ・・」
(新緑眩いこの時期に・・普通ぅ〜もっと爽快な釣りするやろぉ〜!)
毛鉤をたぐり寄せてパウダーフロータントにぶち込んでシャカシャカやりながら、思わず愚痴が突いて出る。
(ホンマ・・こんな事やっとってエエんかぃ!)
「あぁ〜ぁ・・みみっちぃ〜のぉ〜・・・」
(我ながらこのセコさに呆れてまぅわ!)
「よっしゃ・・後5回で切り上げんでぇ・・出るか八投目!」
投じた毛鉤は狙った通りにやや流芯を外してタイトに岸際を流れ始めた。
「この規模で流芯も岸際も糞もなぃ(わな!)・・」
[シュポッ!]
「出た!」
「これはイワナやろぉ・・・ほれぇ・・やっぱし居りましたな!・・(笑)」

↑根気よく姑息な釣りに徹した結果、小さく毛鉤を消し込んでお目当てのイワナが鉤掛りした。
しかし、相当に辛抱が要る釣りで爽快感は微塵もなく、みみっちぃ〜事この上ない・・・
「そやけど、これ釣れたからエエもんのサッパリ空振り喰ろたらドッと疲れる釣りやし!」
(どうする・・まだやるか?)
一匹手にした事もあり、このみみっちぃ〜釣りにやや嫌気がさして来た。
(やると決めたらもう少し見極めよか・・)
「がぁ〜足痺れたし!・・」
ゆっくり立ち上がって次なるポイント・・・
(まずは・・ここでヤマメちゃん・・・よっしゃ!)

(あまごかぃ?・・まあエエわ!・・んでや・・・ここで・・出んか?)
暫し、根気よく流してみる。
[シュポッ!]
(出るやん!)

「これ・・真剣に狙ぉたら結構釣れるんちゃぅん?(みみっちぃ〜釣りやけど・・笑)」
その後同じ様なアプローチでやってみると、同様のパターンが2回程続いた。
写真で具体的に示すと以下の通りである。

↑黄星がヤマメが出たところ・・赤星がイワナが出たところ・・この写真はイワナの立ち位置から撮影したもので、ココにしゃがみ込む前にもっと後方から先に黄星のヤマメを釣っておく必要がある。当然黄星のヤマメは一投目に出るが、お目当てのイワナはココに写る赤星でも出たのは5投目だった。
「ちゅぅことは、こんなトコでも浮きを待ったらでるんかぃ?」
落ち込みの白泡の脇にある鏡・・春のヤマメではそれまでの経験則から渓独特の傾向で某かの根拠が無い限りまず期待しない場所である。
「さぁすぅがぁにぃ・・あきまへんなぁ・・(笑)」
(まぁ〜居ったとしても、この時期簡単には浮かんやろし!)
「ここまで粘って出ぇ〜へんかったら、やっ(ぱし・・)」
[バシャッ!]
「うそぉ〜ん!(浮いたし!)ホンマかぃ?(驚)」

↑半信半疑で浮きを待つと、呆れて見切る寸前にバッサリ浮いてフライを捉えた。・・・やはりイワナはそれなりに居た。
そしてその後も超ぉ〜スローペースでイワナを意識した姑息でみみっちぃ〜釣りに専念し、15時を迎える頃にはイワナとヤマメを数匹ずつゲットして居た。
「もぉ〜エエやろ!シンド・・よぉ〜わかったし!」
正直申して・・恐らく息衝いている・・と言うか棲息していると言い切るのが正しいのかもしれない。
私の見立てではここ数年(F&Lとなってから)に物議醸し出す様な放流によるものではなく、かなり以前からこの渓で世代交代を繰り返した個体に見えた。
この辺りは後述することとしよう・・・
「さて・・ちょっとこの渓の入り口引っ掛けてミッジでも行てかましたろかぃ!(笑)」
(イブニングは中下流域で勝負賭けんのもエエし!)
そして渓の入り口で合流点から民家の辺りまでを釣り上がってお決まりサイズを3匹ゲット・・・

↑分岐から渓の入り口辺りで釣れたヤマメ・・今日はたまたま竿入れが無かったのか、お決まりの魚格ながら案外素直に顔出ししてくれた。
「そやけど、ココしかマトモな?(失礼!)釣りさしてもらえんのぉ?・・今日日(きょうび)の佐々里って・・厳しなったし!」
やはり、少し前の様にGWに爆釣を目論むならば連休前半の朝早くからしっかり【一駆け】で入渓しないと、日中は想像以上に難しい状況となるのが今の佐々里事情なのかもしれない。
「さて・・【禁断のプール】でも行きまっかぁ〜・・」
(今日はしっかりミッジ持って来たし!・・・笑)

Bスペース・ウッドさん上流側(17:00〜19:15)
ところが・・・雲行きが怪しくなって来た。
「おぃおぃ・・雷さん!宴会おっ始めんのかぃ?・・止めてやぁ・・急ご!」
そさくさと準備して渓に降り立った。

↑これがスペースウッドさんの上手(かみて)にある【禁断のプール】・・・超スレッカラシが定位していて、手を出すとドツボにハマって引くに引けず、ズルズルと時間を費やしてしまう為、[竿出し禁断]のポイントでもある。前回は写真を撮り忘れた為、入渓直後にシャッターを切った。
(あれ・・今日は全員・・超スレッカラシやんか?・・先週のお手頃スレッカラシの連中は?上手(かみて)に差し上がったんか?・・)
先週はそれなりに#20で狙えた状況であったが、今日はその様なアプローチでは全く相手にされない様相と見受けた。
(うぅ〜ん・・)
<ピカッ!>
フラッシュを炊いた様に閃光が走る・・
(1・2・3・・)
<ゴロゴロゴロゴォ〜>
(結構近いやん!・・これヤバぃな!)
<ピッピッピカッ!>
<バリバリバリゴロゴロゴロバァ〜ン・・>
(ヤバヤバぃ!・・こらぁアカンし!・・撤収ぅ〜・・・)
慌てて車に戻ると雨が降り出した。

ところが、ザッと振って豪快に雷鳴を轟かせパッと止んで元の晴れ間に戻る事を期待するも、シトシト降り出してチビチビ雷鳴がする様な状況となって来ている。
「夏の夕立ちゃぅし!・・今頃の(雷さんの)宴会は長ぃんちゃぅん?・・頼むで!」
遅出でノコノコ出て来ておいて、散々セコくみみっちぃ〜釣りをした挙げ句、この様な憂き目に遭遇するのは当然の罰当たりかもしれないが、そこはすっかり棚上げしてイライラしながら空模様を見つめていた。
車中運転席に座って成す術も無く、雷が止むのを待つ・・・
<ゴロゴロゴロ・・・>
「あぁ〜ぁ・・雨はエエとしても雷さんがどっか行ってくれんとなぁ〜・・」
色々な事が思い出された・・・
佐々里を見続け四半世紀以上・・もうすぐ30年になろうとしている。
ココに何度と車を停めたかわからない程、それなりに足繁く通ったと言えよう・・
「そやけど・・釣れよったな!イワナ!(笑)」
(ありゃ・・それなりに居るでぇ〜・・ずぅ〜と前から棲んどんちゃぅん?)

↑今日の釣果の一部・・・これより小さいイワナも釣れた。腹は見事なパンプキン色をしていたので、放流稚魚ではなぃと思われる。
(あのオッサンが見せてくれた魚・・やっぱし!イワナやったんやな!)
あのオッサンとは、私がココを初めて訪れた時、スーパーのビニール袋に入った【怪しい渓魚】を「珍し・・イワナが釣れたわ!」・・と見せてくれた方である。
これがきっかけでイワナが釣れると刷り込まれてココに出向いて来る様になったものの、初めてヤマメを掛けてからはすっかりお気に入りの渓となって行くと同時に、イワナの話は偽りの誤認であったと考える様になった。
(今日釣れた魚の雰囲気やったら、放たれたん最近やなぃな・・)
確かに無理からに酷似したイワナを挙げれば、安曇川のヘク谷で釣れるイワナに極めて似ている様に思える。
つまり、昨今の鰓蓋が未成熟で真っ白い腹の放流イワナとは若干異なりそれなりに渓に棲息している個体であった。
「仮に最近持ち込んだ奴が居ったとしてやでぇ〜」
(わざわざあそこまでの魚を釣り揃えて活かして運ぶかぁ?・・相当な根気っちゅうか・・熱意無ぃとやらへんし!)
「今やったら、養魚場で食用に買ぉ〜て面白半分にパッと撒く程度やろぉ?・・」
所詮イタズラであるとすれば、多大な時間と手間を掛けるのではなく、小銭と片手間で済ませる様な気もするが・・
今日釣れたイワナは養魚場育ちの血筋からは若干遠い様な気がしてならなかった。
峠を跨いでイワナを移すと言う話は昔を記した書物などに実例として挙げられている。
この美山演習林の上流にもイワナが居ると知られているが、これも峠を超えた針畑川辺りから移されたものと記されている。
この様にある程度の記録があればまだマシで、この様な事は昔は随所で行われていたらしい・・
(ワシが他の渓で釣ってる魚も元を正せばどっからやって来たんかもわからんし!)
それ以前に漁協さんが飼育された魚が殆どである気もするが・・・
(鳥が山向こうの実ぃ〜喰うて山越えて糞落としてその糞の種から芽め〜生えるんと本質的に変わらんのちゃぅん?・・笑)
渓魚も恐らく鳥が釣り人に変わった程度で昔の釣り人の熱意や悪戯がもたらした分布で今現在を迎えて居るのかもしれない。
「まぁ・・(この辺りでイワナが釣れた事は)最近急浮上した話やないし!」
四半世紀以上も前にこの渓で現物を見せつけられ・・
その後も何かと噂が絶えず虚実曖昧としていた状況から察すれば・・
少なくとも時期的なところは別としてもお隣の演習林と同様ではなかろうか?
(かなり前から居るんや!・・たぶん・・・笑)
<ゴロゴロゴロ〜>
「まだかぃや!・・ホンマ!今日の雷はん・・老いぼれかぃ!」
(ミチミチミチミチやりあがって!)

↑一時の大荒れで通り過ぎる事を期待したが、チビチビと長引き続々と中途半端な暗雲がおちょくる様にやってくる。
「・・んまに!・・早ぉ終わらんかぃや!・・時間なくなるし!(怒)」
流筋に目をやると、魚達は是見よがしにライズを繰り返している。
「あっりゃぁ〜・・ライズしてるし!・・メッチャしとるし!」
(これ魚勘違いしてイブニング前に倒れ込んだんちゃぅ?)
「早よ通り過ぎてぇ〜や!」
(そやけど・・もっと気温下がらな雷止まんなぁ・・)
気温が下がって雷が止むのを期待するのと裏腹に、気温が急激に下がれば魚の活性は消沈するのも想像できるため・・何とも複雑な思いである。
(止めて帰ろかぁ?・・)
時刻は16時を回ってもうすぐ一時間が経過しようとしている。
(ここまで待ったんやし!・・もうちょぃ待とかぃ・・)
「・・はぁ〜ぁ・・」
(そやけど・・イワナはエエとしてや・・)
「この辺りも変わってもぉ〜たなぁ?・・」
私が通い始めた頃・・ココはネコ柳の渓だった。
ところがある時・・・
熊笹が見る間に消えて行き、後追いする様にネコ柳も激減して行ったと同時に、ヤマメもすっかり姿を消した様にサッパリ釣れなくなった事がある。
その後、何とか復調を期待するも悪化をたどるばかりで、一時期この渓に別れを告げたこともあった。
そんな時・・C&R区間となって再び私を迎えてくれ、復調の兆しが見え始めた頃にF&Lとなり今に至っていると言えよう・・

↑今日の釣果の一部・・この様にコントラストが鮮明なヤマメは昔は釣れなかった様な気がしている。C&Rを経てF&Lとなった最近釣れる様になって来た。↓

この経緯を考えると、今日釣ったヤマメも元来この渓の在来種とは言えないのかもしれない・・
(昔のヤマメはもう少しコントラストが柔ぃ気ぃ〜がすんなぁ〜・・)
「もしかしたら、今日釣ったイワナより新しい住人なんかもしれんし・・(笑)」

↑今日の釣果の一部・・恐らくあまごであろうが、正直このような魚体で側線に赤みを残して朱点のない黄金色の魚体をしたヤマメが多かったと記憶する。
何はともあれヤマメがここまで復調したのはC&RからF&Lとなるまでに相当の熱意を持って尽力された関係各位のお陰であろう・・(感謝!)
興味本位の悪戯ではココまでに至らないと考えている。
(ホンマ・・どこでどなぃなるかわからんモンやで・・)
一方で渓の環境は芳しくない様に感じている。
「あのイワナも昔に撒かれて広がらんのは、ココの水温が関係しとるんやろ・・」
(ちょっとでも下がったら・・夏越えれんし!・・夏の水温でお陀仏やろな・・)
ネコ柳も芦も消えた流れとなって、佐々里を象徴するカヤキ(茅?)が丸裸になりながら渓の護岸を形成すべく頑張っている状況は、昔を知るものからすれば信じられない変わり様であり、特に夏を迎えての水温の上昇は昨今非常に気になって来ている。
(鹿が増えすぎたんやな・・・)
各地でささやかれる鹿害・・・
ココ佐々里も例に漏れずこれが大きな要因である気がしてならない・・・
鹿が増え・・熊笹が喰い荒らされ・・ネコ柳にまで被害がおよび・・下草がなくなった木立から護岸を失った流筋に土砂が流れ込む・・そして、葦の根も流され・・流筋は浅く広い流れとなり・・夏に向けて水温を著しく上昇させ・・渓魚にとって劣悪な環境となってしまう・・
(ヤマメ放流もエエけど・・そろそろネコ柳を植樹すること考える時期なんか?)
(葦も戻さなあかんやろ・・)
(いや、一番は木立の下草・・熊笹ちゃぅんか?)
(そやけど・・)
そんな事を一生懸命やったとしても鹿に喰われて追いつかないのは明白である。
「やっぱり!日本オオカミの復活やな!(笑)」
(アホかぃ!)
しかし、根本的な原因を考えてみると・・・
鹿の天敵である日本オオカミを絶滅させ、一世紀たった今・・・
激減していたハズの鹿がココまで増える事になったと言うご意見は正しいのかもしれない。
「やっぱし!・・そこらの狼っぽぃ犬集めて狼拵えて放つんが、ヤマメやイワナ放流するよりも重要ちゃぅかぁ?」
(誰がやんねん?・・アホかぃ!)
・・とは言うものの、こんな考えがこれまで堰堤や護岸を敵視する意見に変わって、後々釣り雑誌をにぎわす事になるやもしれない。
(・・って・・アホな事考えとらんと!)
「まだ止まんのかぃ!雷さんよ!(怒)」
幾分雷は遠退いて、小康状態に進んでいる。
時刻は17:00になろうとしていた。
「もぉ〜エエわ!・・行ったれ!」
小雨の中、勇んで渓に降り立ち対岸に渡ったと同時に雨は殆ど気にならなくなり・・
やがて・・雨が止んだ。
(・・??・・)
〜〜・・シィ〜〜ン・・〜〜
(♪雨がやんだらっ♪・・♪ライズも止んだっ?♪・・あれ??)
「・・って!・・歌とぉてる場合かぃ・・どぉ〜すんねん?」
〜〜・・静寂・・〜〜
(まぁエエわ!・・まだ5時過ぎやし!・・6時回ったらライズ再開するやろ・・)
それまでは【禁断のプール】でミッジングをやって、ここのライズが復活した頃を見計らって下手(しもて)の流れを見ながら今日のラストチャンスに賭ける事を目論んだ。
「ほな・・あっち(【禁断のプール】)行ってみよかぁ〜」
ところが・・【禁断のプール】の超スレッカラシ連中も小康気味・・・
(こらぁ・・結構キツイな!)
「時間無いし!・・光モンで一気に勝負に出たろかぃ!」
午前中から渓流釣りとは程遠いセコくみみっちぃ〜釣りに専念していた事もあって、この状態で更にチマチマやれる様な気分ではなく、定位も糞も放ったらかして光モンで強烈に攻め立てる作戦をとった。
「さぁ〜て・・」
8XのフロロティペットにフライはDWN#22・・
対岸ギリギリに投じて水面直下をおちょくり倒す様に引きまくる・・これまた安仕掛けの釣りである。
〈チョンチョンチョンチョン・・〉
[モコッ!]
「っしゃぁ〜!」
[プチッ!]
「あっりゃ!っとぉ・・切れたし!(悲)」
(当たり前じゃ!8Xのアワセとちゃぅやろ!・・今の!)
先週散々ichr君に「ゆっくりラインを張る感じ・・」等と偉そうに講釈しておきながら、早速自分自身が大失態をしでかしている。
結局はこの辺り・・焦りや鬱積や高揚と行った[気分]に大きく影響されるもので、[冷静]に対処できるまでにはまだまだ修行が足りていない。
それからも・・・
[モコッ!]
「ぅっとぉ・・乗らへんなぁ〜」
[モワァ〜ン]
「糞ぉ〜今ぁので掛からんかぁ〜?」
[ゴツッ!]
(ぅっ・・弾かれたし!)
狂った様に魚が反応するがフックアップしない状況が続き、段々と光モンの効力が損なわれて来ていた。
やがて・・
「アッカン!・・もぉ〜サッパリ効きまへんな!」
全く魚が見向きもしなくなった。
約小一時間、観衆の視線を一点に引きつける光モンの寸劇は場荒らしとなって終幕・・・
(そろそろ・・ライズしとんちゃぅんかぃ?)
時刻は18時・・・・
<<ここでお断り>>
前回釣行は初心者のichr君に釣らせてやりたいこともあって、4月末日である事を忘れ19時まで釣りをしてしまいましたが、この釣り場は4月中は18時までが規則でした。深く反省するとともにこの場を借りて関係各位にお詫び申し上げます。
(今日は5月入ったし!8時まで大丈夫やけど・・)
「それでもこの前と変わらんし!・・7時過ぎが限界やろぉ・・」
場所移動してライズの確認・・・・
〜〜・・シィ〜〜ン・・〜〜
相変わらず静寂が漂っている。
「あっりゃぁ〜・・これホンマに(イブニング)前に倒れたな・・」
(アカン!・・車で走ってライズ探そか・・)
当初の予定通り、下手(しもて)に向かってライズを探しながらラストチャンスのポイントを見定めるべく、リールを巻いて土手を上がろうとした時・・
(待てよ!・・この状態・・)
「どこも一緒ちゃぅん?」
あれだけライズしていたこの場がココまで静まり返っている・・
今から実践しようとする釣りは魚が就食行動に出ている事が前提となる・・が?
この場がココまで小康している状況で、上手い具合に魚が就食行動に出た(ライズなど)ポイントを見つける事ができるか??
見つからなければ、ただ漠然と毛鉤を流して終わってしまうことは明白・・・
(っちゅぅことは・・・)
ここは魚が居る(魚影がある)事は確実・・
それが時合を迎えても沈静している状況にある・・
こんな状況でどんな手立てが有効かを知るチャンスとも言える・・かな?
(考え方変えるんが今後のタメかもしれんな・・)
振り向くと川面は相変わらず静まり返っている・・・
(ここ・・もうちょっとじっくり見てみよか?)
この様な考えが脳裏を過って気変わりし、ライズ待ちよろしく川岸に座り込んだ。
(あんなけライズしとったのに・・サッパリやし!)
しかし、考えてみると日中もこんな感じである。
(これ日中と同じ様に攻めたらどなぃなるんや?・・やって見よか?)
そこで日中と全く同様スタンダードドライをティペットに結んで、セオリー通りに叩き上がって見た。
「さぁ〜て・・食後のデザートは如何ぁでぇすぅかぁ〜?」
[パシュッ!]
「なんじゃぃ!出るやん・・ん?・・なんか?」

↑消沈いている流れの一等地から鮮やかに出たジャイアント・カワムツ・・・ヤマメのライズが小康した後、一等地に陣取っていた。
「お前かぃや!・・あんなトコに入らせてもらえるんかぃ?・・ナンボ体(から)ゴツイ言うても・・ホンマかぃや!」
その後も申し合わせた様に、それなりのポイントからジャイアント・カワムツが出てくる。
(・・ちゅぅ〜事は・・底でデザート喰うとんのかぃ?)
即刻ティペットをカットしてウェット仕様に作り直し、ドロッパーにプロフェッサー#12、リードにティール・ブルー&シルバー#12をセットアップ・・・
リードを沈めてドロッパーを表層に流す釣りへと切り替えてみた。
普段ならうるさくドロッパーにまとわりつくカワムツもちょっと沈むと全く眼中に無しと行った状況である・・
[ククッ!]
(当たった!)
ドロッパーに微かな当りが出た。
もう一度、同じ様に流してみる。
[コクッ!]
(あぁ〜乗らへん!)
「こぉ〜言う脈釣り・・まだまだ(経験不足)やねんなぁ〜・・」
[クイッ!]
「アッカン!・・乗らへん!]
(やっぱし底に居んねん・・コイツ捕らなアカン!・・せっかく当んのにホンマ・・)
[クワァ〜ン]
「っしゃぁ!乗った!・・掛けたぜぃ!・・・あれ?」

↑リードフライのティール・ブルー&シルバーに魅力的な魚信を送ってくれた魚の正体・・・いつもながらにガッカリさせられる奴・・・
[えっ!・・お前なん?犯人は・・止めてぇ〜や!(ガックシ!)」
(アカン・・もぉ〜場所替え無理やし!)
時刻は18:45分・・
既に毛鉤を結ぶのも危うい暗さとなって来ている。
(今日はこのまま終わってまぅな・・今からライズは無ぃやろぉ・・夏のイワナやったら別やけど・・)
「あぁ〜ぁ・・」
(ぅん?・・さっき光モンで小康状態から魚出したよなぁ?)
ミッジングのステージで良くある事であるが、ライズが小康するとリアクションバイトを期待して誘い出す方法をとるのも有効である。
(ここでも同じかぃな?・・)
「まさか光モンはなぃや・・ろぅ・・ってフラテンで似た様な事出来るんかぁ?」
そう思い立つや否や、即刻ティペットをカットし、そのままフラテン#14を結んで立ち上がった。
「さぁ〜て・・おらぁ出んかぃ!」
浮かべてカワムツ、沈めてウグイの状況にありながら、適当に水面をおちょくり倒してヤマメが出るとは思えないが、タイムリミットに向けて、半ば捨て身でやってみた。
「やっぱし!・・おちゃらけもエエとこやねっ!・・(笑)」
[バァ〜ン]
「・・って!・・出よったやん!」
不意打ちもあって弾かれてしまった。
「クッソォ〜・・なめたらアカン!・・ちょとマジでやろ・・(反省)」
程なく・・
[バァ〜ン]
「っしゃ!乗った!」

ライズは皆無の静寂を突き破って水面で炸裂する様にアタックして来た。
(時間無ぃし!そもそもそんなに出ぇ〜へんし!気ぃ〜抜かれへんでぇ〜)
[バァ〜ン]
「っしゃ!来た!」

「これも一つの手ぇ〜(手立て)やな・・(笑)」
しかし、冷静に考えると・・これがココだけに通用する手立てなのか、どの渓でも有効なのかは疑問が残るところでもある。
「あぁ〜・・今日は魚掛けて終わりたぃなぁ〜・・7時なったし!・・最後の一匹頼むでぇ・・」
(・・アカンかぁ?)
(・・出んかぁ?)
(・・頼むわ!・・)
[バァ〜ン]
「っしゃ!乗ったぁ〜・・・終ぅ〜了ぉ〜〜!」

↑本日最終の魚・・掛けた段階でリールを巻き上げ、写真を撮ってリリースすると同時に納竿・・
「そやけど佐々里も年々厳しなって行く様な気ぃ〜すんなぁ?・・カワムツもドラッグ掛かったら出ぇ〜へん不届きモン居るし!(笑)」
しかし、佐々里を見続け四半世紀が過ぎた今・・・
今日ココで釣りをして得た実感が今の佐々里そのものなんだろう・・・
私の中で[佐々里]がまた更新された様な気がした。


*道具と毛鉤*
<ドライフライ>
ロッド:CAPRAS HL KELSO#3 (7'0"#3)『SUSSEX』
ロッド:Campanella c36113 (6'11"#3)『Campanella』
ライン :DT-3-F
フライ :エルクヘア・カディス#16、クイル・ゴードン#16(3色そこそこ)
<ミッジング>
ロッド:FREESTONE FV 833 (8'3"#3)『SHIMANO』
ライン :DT-3-F
フライ :DWN#22(バラシとカスリのみ)
<フラッタリング>
ロッド:FREESTONE FV 833 (8'3"#3)『SHIMANO』
ライン :DT-3-F
フライ :フラテン#14(ヤマメ3匹)
posted by bacoon at 21:54| Comment(6) | 京北に行く | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、栃木の山猿ですが
いつも楽しく記事を読ませてもらっています。
釣り番組でも見ているかのような臨場感に引き込まれます。
私もフライを始めて3年目になりますが、大変参考になります。
1人釣行で伸び悩んでいますがそれなりに楽しめて
フライフィッシングの奥の深さに嵌ってしまいました。
これからも良い記事を披露してください。
楽しみにしています。
Posted by 栃木の山猿 at 2012年05月09日 15:39
栃木の山猿さん、初めまして・・

コメント頂きありがとうございます。
>いつも楽しく記事を読ませてもらっています。
↑私のサイトはコテコテの関西弁なんで、関西圏外の方々は少々エグい表現で馴染めないと思っておりましたが、この様に喜んで頂ければ嬉しい限りです。
元々は自分の釣日記がブログへと変化しましたんで、関西弁と臨場感はこの先も続くと思います。
また、ちょくちょくのぞいてやって下さい。
コメントも大歓迎です。(^.^)/
Posted by bacoon at 2012年05月09日 18:04
こんばんわぁ。
今回は、五種盛りで楽しそうですね〜。(笑)
それにしても佐々里も変わりましたね。
噂には聞いていましたが、イワナがこんなに増えていたとは・・・。(^_^;)
昔から居たとも聞きますし、最近急増したとも聞きますし、どうなんでしょうかねぇ?
Posted by おぐろ at 2012年05月15日 00:39
おぐろさん、こんにちは・・・

>昔から居たとも聞きますし、最近急増したとも聞きますし、どうなんでしょうかねぇ?

私は昔から居たと思ってます。
この度、実際に釣って手にして見た感じではここ数年の話では無いと思います。
確か演習林側の上流にも棲息している事が確認されているんですよね?
間違い無くココも同じ様な感じではないでしょうか?
・・でも、ここはヤマメの渓ですので、あくまでもヤマメ釣りを楽しみたいです。
イワナと言えば・・・
岸田川がサッパリになって、私の行動範囲内(北近畿地方)でイワナの渓を探さなあきまへん・・
また、エエとこあったらよろしくお願いします。(^.^)/
Posted by bacoon at 2012年05月16日 17:50
  枚方のヒサです。
 今シーズン、順調の出だしですね。前回のレポートで皆さんがコメントを書いていましたが、
全くの同感で、ヒントになるというか、いろいろ教えてもらえること満載で、読んでて面白いだけでなく
役立つことも多いです。今年は、私も佐々里の年券を購入しましたので、お会いできることを楽しみに
しております。
 さて、昨年佐々里の支流で、私もイワナを釣りました。おそらく、今回のレポートと違う支流です。
一匹だけだったんですが、フーンという感じで、特に気にしていなかったのです。でも、帰るときに
スペースウッドの奥さんにイワナが釣れましたと話したんですが、キョトンとされて、すごく不思議そうでした。
まさかクロムツちゃんと見間違えた?でも、イワナだったしなあと悶々としておりましたが、今回、すっきり
しました。支流でもかなり上流でしたが、イワナいるようです。

 
 
Posted by ヒサ at 2012年05月20日 18:12
ヒサ さん、こんにちは・・・

>昨年佐々里の支流で、私もイワナを釣りました。
>おそらく、今回のレポートと違う支流です。

あっ!そうなんや!(驚)
これをお伺いすると益々かなり前から密かに息衝いていた様な気がして来ました。
やっぱり、私が最初に見せられた【怪しい渓魚】はイワナだったと思う事にします。
>今年は、私も佐々里の年券を購入しましたので、・・・

こちらこそ再びお逢いする事を楽しみに・・(^.^)/
よろしくお願い致します。
(ただ今、先週末鳥取釣行の原稿執筆中・・近々にアップ予定です。)
Posted by bacoon at 2012年05月23日 12:58
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